自分には強い口臭があると思い込んでいる人が増えています

口の中を調べてみても、歯垢や歯周病虫歯もなく健康な状態にあるにもかかわらず、「自分には強い口臭がある」と思い込んでいる人が増えています。

並んで歩いていたときに友人が歩と鼻に手を当てた、周りの人の何気ない態度や、様子などから自分に口臭があると思い込み、ついには対人恐怖症や社会的な不適応を起こしてしまうこともあります。

自臭症の人は、口の中や全身に口臭の原因となる病気があるわけではないので、いくら歯科医が口の中を洗浄し、「もう大丈夫ですよ」と太鼓判を押しても、効き目がありません。「気にしすぎですよ」「口臭なんかありませんよ」と言われても本人は納得できないのです。

自臭症は別名「心因性の口臭」とも言われおり、精神科の受診だけを進める歯科医も以前は少なくありませんでした。しかし、近年、自臭症の治療に積極的に取り組む歯科医師が増えてきました。

心因性の口臭を訴える人には、心と体の相関関係に気づき、毎日の生活の中で、自分の力で症状や病気をコントロールできるようになるよう、医師が援助していくことが大切なポイントとなります。

そのための治療法としては、簡易精神療法、自律訓練法、薬物療法、家族療法、ヨガ、気功法などたくさんの種類があり、患者さんの症状や性格に合わせて、いくつかの治療法が組み合わされます。

そして、自臭症の人に対しては、口臭が改善したかどうかが問題ではなく、健康的な社会生活が送れるようになったかどうかが、治療効果を見る際の判断材料になります。

先述した「オーラルクロマ」などの口臭を測定する機器で、実際に自分の臭いの数値を測ってもらい、客観的にデータを提示されるだけで、「自分の口臭は基準値波だったのか」と安心し、納得する患者さんも多いのです。

また、歯磨きの努力を重ねて口臭を克服していく過程を、磨き残しの有無を目で直接確かめ、その裏づけを確認しながら実行していくことで、改善されていくこともあります。

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