この病気には、いくつかの種類があって、それぞれに違う原因があります。まず、一般的に最も多いのは炎症性歯肉肥大と呼ばれるもので、歯肉炎や歯周炎の結果として引き起こされる病気です。この場合はそもそもの原因は口の中にいる細菌で、これに歯肉組織などが感染して炎症を起こし、歯肉がはれ上がります。
第二に、ヒダントイン性歯肉増殖症といって、てんかんの治療に使われるヒダントインという薬の副作用によって起こるものがあります。また、高血圧や狭心症の薬の副作用によるものもあります。このほか、妊娠、月経、血液疾患、アレルギーなど、全身的な病気が原因となって発病する場合もあります。
歯肉増殖症の症状
歯肉、すなわち歯茎が異常に膨らんでしまいます。この症状は、歯と歯の間の歯肉とか、歯肉の上端の歯との境目に近い部分からはじまることが多いのですが、そのまま一部にとどまっているケースと、歯茎全体に広がっていくケースとがあります。
どちらの場合でも痛みを自覚することはほとんどないまま、やがて歯よりも歯茎のほうが目立つような様相を呈して、肥大しきった歯肉が歯並びを乱すほどになります。このとき、歯肉はうっ血して硬く膨らみ、出血しやすくなっています。
肥大によって歯茎が歯から離れてしまうため、その隙間の部分に食べかすなどがたまりやすくなり、細菌感染を助長します。そうなると歯周炎(歯槽膿漏)と同じような状態ですから、細菌感染で腐敗した部分から、特有の口臭が放たれるようになります。
歯肉増殖症の治療
歯肉炎など、原因となっている病気を取り除くのが治療の主眼となります。また、増殖が著しいものは、手術によって肥大した部分を切除することもあります。
ヒダントイン性歯肉増殖症など、薬剤による場合はてんかんや高血圧、狭心症の治療を安易に中止するわけにはいきませんから、対症療法を施しながら、慎重に経過を見守ります。