智歯(親知らず)の周囲に急性の炎症が起こる病気です

一番奥に生える歯を第三大臼歯といいますが、これは一般に「親知らず」の名で知られ、智歯と呼ばれることもあります。この歯はほかの永久歯よりだいぶ遅れて、17〜18歳の頃に生えてくるのがふつうです。

ほかの歯がすっかり生えそろってから出てくるため、智歯が出口を失うケースは少なくありません。すると、歯肉に埋もれたまま出てこなかったり、生えかけのままなかなか伸びなかったり、生える位置がずれたりという不正が起こります。このことが、智歯の周囲に余計な力や刺激を加えます。

それに加えて、生えかけの歯や傾いた歯の近くには大きな隙間ができるため、その部分で細菌が繁殖しやすくなります。このような理由から、智歯が生え始める頃に、その周囲の歯肉や粘膜に化膿性の炎症が発生することが多いのです。

智歯周囲炎の症状
はじめは奥歯でものを噛むときに少し痛む程度ですが、悪化するとかなり激しい痛みを覚えます。炎症が広がると、ズキズキ痛む、痛みで口があけられない。何か飲み込もうとすると痛むなど、はっきりとした症状が現れます。

同時に、頭痛がする、耳が痛い、炎症を起こした側の顔半分が痛む、発熱などがからだ全体に異常を感じます。この炎症を放置すると、歯を支えている歯槽骨から顎下リンパ節、頚部リンパ節まで広がって、敗血症などの全身病を引き起こすこともあります。

智歯周囲炎の治療
患部を十分に洗浄・消毒し、痛みやはれを抑えるため鎮痛剤や消炎薬を投与します。化膿性の炎症なので、抗生物質による治療も行われます。

症状が和らいだら生えかけの智歯をよく観察し、正常に生えそうなら切開などでその成長を促し、そうでなければ抜歯します。